水槽

2009年6月10日 (水)

長編 「水の流れ」

生徒が座る真横に30ガロン(約120リッター)の水槽が有ります。
「トシ、この中何が居るんだ?」と彼らから良く聞かれました。
ガラスは緑色で覆われ、中は想像の世界。

友人でギタリストのトモさんが家のほぼ倍の水槽(と言うより浴槽)を手に入れた時、あぁ、水槽を掃除しなきゃ、、、と思いつつも怠慢してた所、占いが得意な方にこんな事を言われました。
水槽の手入れをしないと運が悪くなる、かみさんとの事も彼女が魚座で魚を粗末にしたせいだ、、、
占いなど一切信用せず、迷信などには全く影響されない人生を送ってる私は早速、水槽のコケ取り作業に取りかかりました。

さすがに一年以上熟成させた水槽は手応えが有ります。
ガラス面のコケを取り除き、久しぶりに水槽の中を観てビックリ。
プランクトンでも食っていたのか、別れ話の原因かもしれない魚達は意外にも元気、エビなど記憶では5〜6匹入れただけなのに数えきれないまでの家族構成に成っていました。

ここから先は最先端技術の話に移行します。
実はこの水槽、ハイテック水槽で魚というより水草生育用にチューンナップされてます。
例えばCO2タンクがPHメーターと連動し常にペーハーが一定に保たれてるなど、、、
しかしハイテックも怠慢人間の下ではコケジャングルと化します。

水換え、フィルターの掃除、CO2ガスの充填、電気周り、水草のトリミング等々一応見栄えは戻ったのですが、不幸にも藍藻と呼ばれヘドロの様に草や底砂にへばりつくヤツがメインのコケだったらしく、こいつは取っても取っても3日後にはもう涙腺が弱る程の復活劇を見せてくれました。

ネットで調べると、なるほどこいつはかなり厄介なヤツで、実はコケではなくシアノバクテリアと呼ばれる細菌の仲間だそうです。
色々な発生原因が考えられる中、水草が根を良く張れる様底砂をかなり厚く敷いているのに因果関係が有るらしい事が浮かび上がって来ました。
どうも分厚い底砂の下では水が動かなくなり有益バクテリアの働きがオーナー同様かなり怠慢になっている様なのです。

しかしこの水槽、4年前にセットアップした時ある仕掛けを施していました。
この事態を予想してか?まるで占い師、はたまた用意周到!宮本武蔵の如く施したその仕掛けとは。
外部フィルターを通ったキレイな水が分厚い底砂の下へ地下水脈として流れ込める様、バイパスを作っていたのです!
何と、、、4年間このバイパスの存在を忘れていました。

水槽の裏にひっそりと有るバイパスの忘れられたバルブをゆっくり、制作以来始めて開いて行きます。
底砂から煙の様に4年間の汚れが黙々と上がって来ました。
がしかし明らかに淀んでいた分厚い地層の下に新しい水の流れが、手応えを感じました。

4年間の汚れで濁った水もバクテリアの働きで一晩たったら透き通り、そしてこれでダメならセットアップし直そうとまで決めてた不死身の藍藻も有益バクテリアの働きに瞬く間に減少!3週間経った今は陰も形も見えなくなりました。

常に流れる自然界の川と違い、人工的な水槽の世界では水が淀みます。
水は流れるモノ。
水槽から学んだ哲学です。

人間の体も水が大半を占めると聞きます。
これからの人生を考える上で大きなヒントをくれたのかもしれない。

水が動くだけでこんなにも違うなんて、、、何だかオシッコに行きたくなって来た


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